ちょうど一週間前の朝日新聞で、いわゆる「引きこもり」という状況を生きざるを得ない人に対して、彼は次のように述べている。
‥‥‥日本で凶悪事件が起きると、当事者やその家族、行政への責任を求める風潮があります。しかし「私たちの社会が起こしてしまった」という視点で一人ひとりが事件の背景や何ができるか考えることが、悲劇を繰り返さない一歩になるのではないでしょうか」と。
「凶悪事件」が起きた時、私たちは恐れ、衝撃を受け、困惑し、戸惑い、しかし最後には「忘却」を選んでしまう。忘れてはいないのに、忘れたふりをして、自分の感情の活動に蓋をしてしまいがちだ。
藤田さんが指摘するように、一つだけの価値観しかない社会においてはそうなりがちだ。
一つだけの価値観とは、そのまま一つだけの居場所とも言える。
そのことを、ご一緒に考えてみよう。
これをすればいい、という特効薬はおそらくないだろう。が、私たちが、二度と同じような事件を起こしたくないと心から考えるなら、惑う自分とまずは向い合ってみたい。
「私たちの社会」を構成しているひとりとして。
参議院選挙投票を前にして。
2019年7月20日(土)
9:00~10:30 東京店B1 レストラン「広場」
藤田孝典さん(NPO法人ほっとプラス代表理事、社会福祉士)
第108回「〈ひきこもり〉と〈死なせない〉社会」