2014年11月18日火曜日

11月18日

風が強い午後の街。
電信柱に貼られたチラシの三方が剥がれている。
何のチラシ? 剥がれた角をもう一度貼り直してみると、
「探しネコ」のそれだった。
数日前から見えなくなってしまった。
行方を捜している。連絡先は……
とワープロで打たれた文字の横、
名前を呼ばれてひょいと振り向いたような姿の
まだ若いネコの写真が貼付されていた。
風が冷たい。今夜は冷えそうだ。
さぞかし心配だろうと思いつつ、
今週の土曜日の朝の教室を考える。
講師は作家の森 絵都さん。
数々の作品でおなじみの作家だが、
彼女の『おいで、一緒に行こう』を読んだのは、
2012年の初夏だったろうか。
福島原発20キロ圏内のペットレスキュー
というサブタイトルが語るように、
あの第一原発の事故のあと、
取り残されたネコや犬たちのレスキューを描いたノンフィクションだ。
動物好きのわたしには、いろいろな意味で「たまらない」作品だった。
以前、処分される直前の犬や猫の写真展を
何度かクレヨンハウスで行い、
大きな反響をいただいた経験もある。
連れていけなかった人間も辛い。
残された動物も、
ひたすら飼い主が帰ってくるのを待ち続ける動物もまた……。
一匹一匹と丁寧に向かい合った森さんのお話を、
反原発・廃炉を求めるわたしたちも丁寧に確かに受け止めたい。
11月22日午前9時から、クレヨンハウスで。