わたしたちの食が、大変なことになっている。
生産者も消費者も、困惑の極みであり、
その結果、生産者と消費者が疑心暗鬼の中で対立するような構図さえ見える。
こういった対立の構図は、おおもとの責任、
ことの本質を結果的に隠すことになってしまわないか。
有機の農産物をあつかってきたわたしたち、有機食材の八百屋も、
この非情で無責任な国の構図に組み込まれてはならないと、
事故発生当時から考えてきた。
どうして、生産者と消費者と、その間に位置する流通や店が、
苦しまなくてはならないのだろう。
責任をとるべきは、一体、誰だろう。
「生産者をなんとか応援したい」という消費者の思いが利用されたり、
生産したものをなんとか流通したいという生産者の切実な願いが利用されたり、
売れるものは売りたい、それが生産者への支援になる、
という小売業の思いが利用されたりしながら………。
おおもとの責任を問う声は、消されていくのか。
本質は隠されていくのか。
それは間違っている、とわたしは考える。
昨日「オーガニック」メーリングリストを通して、
新潟大学農学部土壌学研究室・野中昌法さんからのメールをご紹介したい。
「国が 農家に報償する制度を作り、生産者と消費者が対立しないよう
宣言すべきと考えています。
今のままでは生産者と消費者を対立させて、
本質を見えないようにしているとしか思えません。
生産者と消費者が協働して食の安全問題を考えることが大切と思います。
福島県の農家はご自身が生産した農産物を毎日食しています。
稲わら問題の時、農家が悪いような情報や報道がありました。
また、消費者が過剰な反応を示しているような報道も出てきています。
今年、収穫されるコメについても国が情報統制するような動きも出てきています。
今回の原発問題の本質がごまかされようとしています。
事故を契機に「農」と「食」のあり方をを見直さなければなりません。
消費者も皆さんで食の選び方を考えるチャンスと考えます。」
なにもかもが信頼できなくなりつつあるこの時代、この社会で、
せめてもわたしたちは、柔らかくつながっていたい。
なにがホントで、なにがウソで、なんと「闘う」べきかを見極めていたい。
土曜日は、恒例のモーニングスタディ。
講師は後藤政志さん。
午後からはいろいろなところで、小出裕章さんや、アーサー・ビナードさん
たちの講演があるようだ。どの講演会にも参加したいが、
わたしは別の講演会で話をしなければならなくて、心二分される。