発行人をつとめる育児雑誌『月刊クーヨン』9月号(8月3日発売)の小さな記事で、
「やっぱりね、なるほどね」と発行人のわたしが頷くことがあった。
東日本大震災に関する米軍の災害支援のニュースに接したとき、不吉な予感がした。
支援はむろんありがたいことだが、
これが沖縄の反基地運動に間接的に水をささないか不安だった。
支援してくれたのだから、だから、とあまり厳しいことは言えない、と。
あの「トモダチ作戦」について、
『クーヨン』の「COOYON EYES 86頁」は、次のように書いている。
アメリカの新聞ウォールストリート・ジャーナルによると、
「トモダチ作戦」の実態は、放射能に汚染された戦場を想定しての訓練だった、と。
そして、これを日本で報じたのは、琉球新報一紙だけだった、と。
訓練は、福島第一原発事故を、テロ集団が核汚染を引き起こす爆弾を爆破させたと
見立て、在沖米海兵隊第31海兵遠征部隊(31MEU)が参加。
「放射性環境下では最も有名な作戦になるだろう」
と米軍は評価していたという。
琉球新報では、作戦に参加して放射能汚染された航空機などが、
沖縄の米軍基地に戻って除染した事実を挙げ、
「除染に使った汚染水の行方」や
「汚染された航空機などが沖縄にくることも知らされていなかった」と、報道している。
こういった事実が全国紙で報道されないことも、不本意なことだ。
福島の子どもたちが差別されたり、
福島ナンバーの車が嫌われたりするのは論外だが、
それとこれは、また別の問題だ。
何度もこのブログで書いているように、沖縄の現実と福島のそれは相似形である。
誰かの、あるいは、どこかの、犠牲の上に成立する「繁栄」は、
人にとって決してフェアなシステムではない。