東日本大震災、そして福島第一原発過酷事故から
4度目の春である。
3月15日の東京で開かれた「さようなら原発1000万人アクション」は
大勢のかたが集まってくださった。
わたしは以前からお約束していた青森での講演があって、参加できなかった。
が、集会中も、デモ中も、親しいひとたちと携帯で連絡をとりあっていた。
青森の会場には、27年近く前、当時女性たちで制作していたラジオ番組
「ちょっと待ってMONDAY」(文化放送)に何度も電話で出演してくださった
六ヶ所村の「核燃まいね(核燃はいやだよ)」のメンバーが訪ねてくださった。
当時、わたしが彼女に出した葉書のコピーも持ってきてくれた。
幼かった彼女のお子さんも、すでに30歳!
ずっと彼女や彼女の仲間たちは、暮らす場で、反対の声をあげ続けている。
並大抵の異議申し立てではないはずだ。
毎年、デモも続けているし、時には参加者3人などというデモもあったという。
福島第一原発の事故以来、参加する人々や、参加できなくとも立ちどまり、
関心を示すかたがたが増えているという。
「やっぱり続けるしかないのですね、こんな時代になってしまったのだから」
懐かしい響きのある言葉で、彼女は言った。
やさしく穏やかな空気のようなものを身にまとった、
あるいは自分の内側から醸しだしている素敵な彼女である。
「反原発おばさんで一生を終えるのはやだなあ」
当時、彼女がふっともらした言葉が甦る。
当たり前の生活者として、たたかいも喜びも充実も、
一輪の花に心震わせる瞬間も大事にしたい、という思いを秘めた呟きであるだろう。
彼女は、50歳から津軽三味線もはじめたそうだ。
今週の土曜日、3月29日(土)のクレヨンハウス朝の教室。
講師は、政治学者の中島岳志さん。
以前からご著書は拝読していたが、
『報道ステーション』での特定秘密保護法(当時は法案)に対するコメントを聴いて、
どうしても講演をお願いしたかったひとだ。
45回目となる朝の教室、中島さんの講演タイトルは、『反・反原発の壁』。
わたしたちの外側に、時には内側にある「反原発の壁」と
「反・原発の壁」をしっかり見極めよう。
新しい世代に、わかりやすい言葉で、
けれど決して媚びずに社会を政治を運動を語るひとが誕生したことを、心から歓迎したい。
ご著書『「リベラル保守」宣言』、とても刺激!
中島岳志さん。
大阪府生まれ。北海道大学公共政策大学院准教授。
南アジア地域の研究とともに戦後日本の政治思想史を専門とし、
保守と革新の対立構造やナショナリズムについて論じている。
『パール判事 東京裁判批判と絶対平和主義』(白水社)、
『「リベラル保守」宣言』(新潮社)など著書多数。