土曜日は久しぶりに、愛川欽也さんの「パックイン・ジャーナル」に出演。
朝日ニュースターで打ち切りになってしまったこの番組を、
なんとか続けようと、ご自分でスタジオを作って存続を決意された愛川さんには脱帽。
わたしも非力ながら協力し続けたい。
ただ、土曜日はかなり前から東京以外での講演が続き、
なかなか思うようにいかないのだが。
以下、当日話し合ったテーマについて。
時間切れで、その場で言えなかったことも含めて。
1、消費税大増税に関して。
間もなく終戦の日を迎えるが、
この国の体質は戦前と変わっていないのではないかと思う。
市民の暮らしより国家を優先するということ。
民意を無視しての3党合意という密室協議。
「一体改革」と言いながら、肝心の社会保障は先送り。
一体改革ではないし、順番も違っている。
まず、将来の年金・医療・介護がどうあるべきかを決めるべき。
税収増を、公共事業に転用することが見えている。
官僚の増税論に従った「主権在官」という感じが抜けない。
市民の負担が増えただけ。
次の選挙で、主権「在官」ではなく「在民」を示さないと。
マスメディアは「決める政治を」と評価しているが、
民意不在のままなんでも決めればいいのか。
大事なのは、決め方であり、何より決める中身だ。
原発再稼働、オスプレイ強行配備、TPP参加、消費税のさらなる引き上げ。
すべてそこには、この国で暮らすものの意志が反映されていない。
2、原子力規制庁委員の人事について。
大問題です。この国の思考は2011年3月11日以前で止まっている。
いまもって収束していない福島第一原発の過酷事故等まるでなかったかのように、
「3・11以前」に流れを戻そうとしている。
原発は電力問題ではなく、「核」問題だという意識がないから、
「規制」の解釈が甘くなる。
核問題は人間の手には負えない。
ひとたび事故が起きたら、10万年も放射能が飛散し続けてしまう。
だから、本来「規制」ではなく、「廃絶」すべきもの。
「原子力ムラ」を完全に解体しなければならない時に、この人選。
委員長は一度就任したら、よほどのことがなかれば5年間、変わることはない。
その間に次々に再稼働が行われるのか。
この社会で暮らすひとの7割が、
電力の原発比率をゼロパーセントと答えているにもかかわらず
3、聴取会の結果について。
原発を動かしたいために「国民から意見を聴く会」を政府が開いたら、
7割近くが原発ゼロと答えている。
ゼロ、15パーセント、20~25パーセントと三段階に分けたやり方も、
合計すれば原発比率が3分の2になるように目論んだのだろうが、
結果は、「ゼロ」という民意が明確になった。
ならば、ゼロに向かわなければいけないのに、向かわない。
市民のまっとうな感覚は、もう二度と原発事故を自分にも他者にも、
特に子どもたちに体験させたくないと心から考えている。
この酷暑でも、電力は足りている!
この事実を政府はどうとらえるのか。
足りている、という現実をわたしたちはしっかり再認識したい。
電力不足をあれほど喧伝していた関西電力の社長は、後に撤回したが、
「需要ではなく、エネルギーの安全保障のために福井の高浜3・4号機を再稼働させたい」
と信じられないことを言った。
連日の猛暑のもと、けれど、電力の利用率は今のところ原発ゼロでも乗り切れたはず。
活断層が走る敷地内の原発を再稼働させ、さらに事故が起きたら誰が責任をとるのか。
4、3・11福島第一原発の東電のビデオ一部のみ公開について。
国が51パーセントの株を持ち、東電はもはや国有化されている。
なのに未だ東電が情報隠しができるということはどういうことなのか。
未だに東電に権限があるようで、納得できない。
重要な証拠を隠ぺいさせたまま「一部公開」、と言われても納得できない。
5、オスプレイの配備について。
原発の推進と似ていますね。安全だ、安心だ、
事故は起きない、と流布して起きてしまった。
そもそもオスプレイの安全性を問題にしているけれど
とても奇妙なのは、オスプレイは武器。
「安全な武器などあるわけない」ということ。
次の選挙で民意を形にするしかないけれど、もどかしい。
月曜日は秋に刊行する「反原発の本」の手直しに集中。
オリンピックも終わったが、「いのちを脅かすものに反対する」という
わたしたちの「聖火」は燃え続けている。