2011年8月12日金曜日

8月12日

『いのちの籠』という小冊子が、刊行ごとに送られてくる。
「戦争と平和を考える詩の会」発行。
裏表紙には、次のような言葉が。

………『いのちの籠』に掲載されている詩作品は、反戦集会などの
いろいろな集まりで、朗読その他、自由にお使いください………と。
「自由」に使うことを許容する、という言葉の向うに、
戦争を決して許さず、平和を希求する個の、揺るぎない思想と姿勢が。
『いのちの籠』18号の中では、
島崎文緒さんが、『少年と少女』という詩を書いておられる。

「ぼく もうじき死ぬんでしょ」
一人の少年がうそぶくように言い放った。
チェルノブイリ原発事故から四年。
強度被曝の村から越してきた仲間が
次々に死んでいく 白血病で 癌で
小学校高学年の彼らは
ひどく無気力な表情をしている
未来を消された少年たち
どうして投げやりにならずにいられよう

「わたし 赤ちゃん産めないの?」
少女は泣きながらたずねる。
「もし女の子が生まれたら その子の髪を
母さんに三つ編みにしてもらいたかったのに」
「そんなことはないよ」 母は静かに答えた
「女の子なら三つ編みに結ってあげようね」
気休めとせめられようか
夢を奪われた少女に
母親は その他に何を言ってやれよう