電力を大量に消費する真夏が終わり、残暑は厳しいけれど9月。
あれだけ社会を騒がせてきた「節電要請期間」も終わった。
結論からいえば、多くのわたしたちが予想したように、
大飯原発を再稼働させなくとも、電力は「足りていた」のだ。
真夏の、甲子園の決戦が行われた、あの電力消費量ピークの時でさえ。
これが、この国の「現実」である。
何度でも繰り返す。「これ」が、「この国」の、
そしてこの国の「財界」のやりかたであるのだ。
発行人をつとめる総合育児雑誌『クーヨン』に、
科学者猿橋勝子さんについて、今朝がた書いた。
1945年8月、広島と長崎に原爆が投下された。
それより9年がたった1954年3月。
米国はマーシャル諸島ビキニ環礁で、水爆実験を行い、
マーシャル諸島の住民はもとより、遠洋マグロ漁船、
第五福竜丸をはじめとした日本の漁船の乗組員たちも被曝した。
米国の科学者は海水放射能汚染をはじめとして被害を小さく小さく見積もった。
どこの国にも「御用学者」は存在するのだ。
そのとき、猿橋勝子さんは「日本の義務」として、被害を調べ直し、
米国の研究所にも乗り込み、核兵器の被害実態を世界に問いかけたのだ。
いまより更に超大国だった米国と対峙して。
流布し続けた「安全神話」を、福島第一原発の過酷事故のあとは「安心神話」に乗り換えた、
この国の21世紀の御用学者たちは、猿橋さんの存在をどうとらえるのだろう。
岩波科学ライブラリーに、敬愛する友人であり、
世界的物理学者でもある米沢富美子さんの『猿橋勝子という生き方』がある。
世界的物理学者でもある米沢富美子さんの『猿橋勝子という生き方』がある。
今日は一日、宮城に。