2012年3月9日金曜日

3月9日

冷たい雨が降り続いた金曜日。
角の向こうから顔を見せていた春が、また少し遠のいたような。
「朝の教室」にいつも参加してくれる知人に教えられた、福島の彫刻家・安藤栄作さん。
このブログでも紹介させていただいたが、安藤さんの東京銀座での個展をお訪ねしたのは今週はじめのことだった。あの午後も雨だった。

ギャルリー志門で観た安藤さんの作品、ドロ―イングの中で
「樹」というタイトル(だったと思うが、記憶は定かではない)作品が
ずっと気になっている。
もう一度見たいのだが、そして今週は東京駅を中心にどこかに向かったり
帰ってきたりしているから銀座は目の鼻の先の近さだが、まだ果たせていない。
今週中に願いながら、もうすでに週末。

今週のはじめ、短い時間だったが、安藤さんご自身とおつれあいに
お目にかかることができた。
家屋も作品もすべて流され、それに続く原発暴走で、福島を離れざるを得なかったご一家だが、次のようにもおっしゃっていた。
「いま涙がでるのは、この一年の間、本当に多くのかたからいただいた、お心遣いとやさしさを思うときだけです。ありがとう、と何度も申し上げたいかたがたのことを考えるときだけ、涙がでます」
 
このところ、テレビなどを中心に首都圏直下地震の特集が。
備えることもむろん大事だが、各地の原発と直下地震を結びつけてテーマとした特集にはまだ出会えていない。どこで起きても不思議はない大きな地震。まずは一刻も早い廃炉が必要だ。

明日の「朝の教室」の講師は、フリージャーナリストの斉藤貴夫さん。
ジャーナリズムのありかたについても、これでいいのか!と思わされたこの1年。
週刊誌でも他のメディアでも、執筆陣に斉藤さんのお名前を見つけると、それだけで安心できる。いま、得難いジャーナリストのおひとりだ。
今夜はわが家にある斉藤さんの著作を読み返す。活字の中に浸っているときだけ、不思議な安心感を覚える。