東京電力は、家庭の電力値上げについて、
平均10・28パーセントと試算を発表した。
「標準家庭」の場合、月480円の電気料値上げだという。
しかし、ちょっと待てよ。
「標準家庭」とは、どんな家庭なのか。
東京電力は、この標準家庭を、夫婦二人の共働き家庭と設定している。
確かに、この形態の家族が多いのは事実だが、夫婦二人の共働きである場合、
最も電気料金が高くなる昼間は家にいないことになる。
夫婦二人に、子どもが二人の場合はどうなるのか。
また、該当する商店や町工場などはどうなるのか。
電力使用量がピーク時(最も料金が高くなる)は
そのまま商店街にとっては買い物客を迎える時間だ。
いくら節電がしたくとも、電気を消してお客を迎えることはできない。
柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を条件として試算されたものである。
苛酷事故を体験したこの国のエネルギーを今後どうするのか。
原発依存を相変わらず続けていくのか等、
根本的な議論がなされないまま、試算が出てきたところで、
わたしは到底納得することはできない。
使用済み核燃料、核のゴミもまたすぐに一杯になる
状況を抱えながら、地図なきままに、すべてをまたすすめるのか。