土曜日から被災地、岩手宮古市田老地区に取材で。
「先週は寒いほどだったけど、今日は暖かだね」
地元のかたが見上げるさきには、満開の桜。
足元には土筆や蕗の薹も。
梅も咲いているし、辛夷の花も木藤も、と
自然は忘れずに早春と陽春の花をいちどきに連れてきてくれていた。
「真っ黒い津波が二度も、わたしたちの暮らしを奪っていった」
自然には一方で、こんな顔もあるのだ。
偶然、大きな敷地が高台にあって、そこに仮設住宅が建ち、
地区のひとびとが分断されずに暮らせたのを「不幸中の幸い」と、
再び笑顔に戻って、発言してくださるかたがたもいらっしゃった。
主に女性たちは趣味を生かして、いろいろな愛好会を発足させているが、
ちょっと気になるのは男性たち。
「とうちゃんハウス」とみんなが呼んでいる屋根のある小さなスペースで、
ちょっとばかり手持無沙汰な様子だ。
「早く働きたいよな」。
漁師さんをされていた男性は呟く。
こういったとき、女性たちのほうがネットワークを作りやすいのかもしれない。
かといって、無理やり誘っても、かえってストレスを募らせるだけだろう。
被災されたかたがたからむしろ、
たくさんの元気をいただいてしまったような2日間だったが、
最後に個人的なアクシデントが。
どうしてそうなったのか今もわからないのだけれど、
転んで、肋骨にヒビが入ってしまった。
瞬間声も出ず、息もできないほどだったが、日曜の夜に帰京。
いまは、ブレストバンドをして鎮痛剤を飲んでいる。
幸い、骨が肺に刺さったりしていないので、あとは時間がたつのを待つだけだ。
今週はいくつか講演の予定があり、
声をだすのがちょっと大変だが、ま、なんとかなるだろう。
ささやかでもサポートができたら、と願っていたが、このていたらく。
落ち込む!
明日は15時までに仕事を終えて、体調と相談しながら、
鎌田慧さん、澤地久枝さん、瀬戸内寂聴さんたちが参加されている経産省前の
テントひろばに。
5日は芝公園で、原発ゼロの日の集会が。
そのテントでハンガーストライキのリレーバトンを受け取った「朝の教室」の常連さん、
世田谷のM子さんから、5月1日の誕生花だというすずらんの写真がメールで贈られて
きていた。
植物好きのかたなので、彼女の家の庭で咲いたスズランだろう。
スズランの花言葉は、「希望」だと、これも彼女に教えていただいた。