2012年6月9日土曜日

6月9日


東京ははっきりしない小雨がちの土曜日だ。
昨8日、野田首相は記者会見をし、
関西電力大飯原発3・4号機について
「再稼働すべきだというのが、私の判断だ」と語った。
この国に暮らす多くの人々の不安や心配、悲しみや喪失など
一顧だにせず、来週にも最終決定をするという。
周辺地方自治体が求める再稼働を「夏限定」とすることも、
夏限定では「国民の生活を守れない」と否定。

だよね、こうなると思っていた。
一度再稼働への道ができてしまえば、
「夏限定」などどうでもいいことになる、とわかっていたはずだ、
周辺地方自治体の首長さん。
それを承知した上での「合意」だったのか、それとも「裏切られた」のか。
「福島を襲ったような地震、津波が起きても事故は防止できる」と彼は言うが、
その福島第一原発の事故の原因究明さえできていないのに。

4号機はいま、どうなっている。2号、3号機の格納容器の水位はどうなっている。
何よりも、日々たまっていく使用済み核燃料はどうなるのか。

「こちら特報部」の「デスクメモ」。
クレヨンハウスの「朝の教室」の講師にも来ていただいた田原 牧さんの
短いメッセージに泣けた。
「略……使用済み核燃料は処理できず、
再稼働してもあふれるのは時間の問題。
道はこうある。希望のある挑戦か。
絶望しかない安寧か。敗北感に浸るにはまだ早い」

そう。敗北感に浸ってはいられない。
クレヨンハウスが出版しているからというだけではないが、
田原牧さんの反原発を語ったブックレット
『新聞記者が答える「原発事故とメディアへの疑問」』はすごい本だ。
易しく、深く、凄みを帯びたメディア論、反原発論。
読み返すたびに、わたしは「覚悟」をいただく。
わたしたちはこの非情な時代に、
田原さんのようなジャーナリストが存在していることを感謝したい。

きょう土曜日は午後から、新宿カタログハウスで、
渡辺一枝さんたちがされている、「声をあげよう女の会」でリレートークを。
そのまま抜け出して、文京区での講演に。