短い原稿を何本か書いて、あとは校正をしただけなのに、
なんだか、やたら疲れた一日だった。
今夜は、パソコンの前を離れて、ゆっくりと本を読もうか。
ここ数か月、次々と出版される
原発に関連する本を優先して読んでいるせいか、
頭の中が過飽和状態。
突然、開高健さんの本が読みたくなった。
さっきコーヒーをいれようと書棚の脇を通ったとき、
ふっと目についたからかもしれないが。
開高さんの言葉に、次のようなものがあった。
一字一句記憶しているわけではないが……。
「思想は本屋に行けばすぐに手に入るけれど、
皺を手に入れるにはつらい時間がかかるもんだよ」
思想とはいかないまでも、
ものごとに 対するわたしなりの考え方は、ま、
ささやかながら、手に入れることができただろう。
皺だって、ちゃんと、ここに。
あとは、考えたことをどこまで誠実に、
どこまでしっかりと、かつ柔軟に実現していくか、だ。
年齢を考えると、そんなに残された時間はない。