2011年9月30日金曜日

9月30日

今日は北海道へ。
教師たちの集まりで、お話を。

昨夜、「朝の学校」に参加されているかたから
送られてきたメールです。
福島の女性の言葉をかみしめてみてください。

6月の集会でのスピーチですが、
現状は、3か月以上たったいまでも、
変わっていないのではないでしょうか。

福島の梅農家、渡辺ミヨ子さん(69歳)
6月19日福島市の集会でのスピーチです。

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私は東京電力福島原子力発電所から20km-30km圏内の田村市都路町から
三春町に避難してお世話になって居ります。
全国から、世界中から支援物資、義援金、あたたかいお言葉がよせられて
今の生活物資に不足はありません。本当にありがとうございます。

世界中に、こんなにもあたたかい愛に満ちあふれた人たちがたくさんいるのに、
3月11日から100日過ぎました。…
大きな津波で流された福島県浜通りの人たちは、原発が何基も爆発して誰も近寄ることができず、けがして動けなかった人たちは誰にも助けられずにどんなにか無念の死を迎えたことでしょう。
放射能汚染による恐怖、深刻さは増すばかりです。

4月初め、私が住んでいたところで、部落の人たちから頼りにされてた60歳の男性が自ら命をたちました。
また、有機農業の人、酪農家の主人が放射能から自分の仕事を守るすべをなくした人たちが何人も自ら命を落としていったのです。
あの日から福島は生き地獄となってしまったのです。
それでも「経済発展のために原子力が必要」か
それでも(海江田)経済産業大臣は、日本の経済発展のために原子力が必要だと言っています。

経済発展のため、そんなに原子力が役立つとおっしゃられるなら、
去年あたりの失業者の数、若者までが仕事がなく、生活保護を受けなければ生きられない、
毎年3万人以上の自殺者がいるという現状はあってはならなかったはずです。
もし経済が原子力を頼らなければ成り立たないとしたら、その経済はもはや人民を奴隷とし、
人民の身も心も破壊してしまう魔物です。

「人民による人民のための人民の政治」
アメリカの大統領リンカーンが奴隷解放の折り、言った言葉です。

「人民による人民のための人民の政治」
福島県民の命は、いや原子力発電所立地地域の住民の命は、
原子力発電が国策として始められた時から軽視されていたのです。
そうでなければ、原子力のことが起きた時に、国の誰もがうろたえ、あわてふためき、何の手だてもなく過ごせるはずがありません。
福島の子どもたちが高い放射能にさらされることはなかったはずです。

福島県になぜ原子力発電なのでしょう。
東京には身動きできないほどのりっぱな会社があります。
国策であるならば、あとわずかでも、広い土地のある福島県に回せば、
東京の人たちもそうきゅうくつな思いをせずに生活できたはずです。
今の日本の経済は、国策として使われる原子力という悪魔が、
とどまることを知らない欲望の経済をあやつり、人民を奴隷としているのです。
それが何より証拠に、恐ろしいモノを安心・安全とウソをつき、高い放射能を低いと言い、
恐ろしいと怖がる正直な人たち、正直な心を、「ヒステリックだ」と自民党の石原(伸晃)国会議員が堂々と言ったのです。

福島の地震を「想定外」というのであれば、今すぐにでも起きてもおかしくないと言われる地域の地震は起きないという「想定外」もあるのではないか。
それならば、東京に原子力発電所を作り、東京の会社を東北にもってきてはどうでしょう。

私は福島県沖の海が、たくさん魚の取れるゆたかな海が、大好きでした。
県土に広がるゆたかな山々が大好きでした。
この福島を復興させることができるとすれば、原子力に頼る悪魔ではありません。
世界中の愛ある人民の、正直な、思いやりのある、おだやかで、
誰一人として死ぬことのない再生可能なエネルギーを、世界中の人民の、
日本中の人民による、東北の人民のがまんと思いやりのエネルギーを日本に、
そして世界中に送ることです。

みなさん、本日は、ほんとうにありがとうございました。

都路町からの避難住民 渡辺ミヨ子さんの6・19集会アピール