2月2日
今日も寒い一日だった。
午前中いっぱいは、自宅で原稿書き、
と言いたいところだが、女友だちと電話で、
1時間以上、話をしてしまった。
青森下北半島の大間原発に
反対活動をしているひとだ。
午後、仕事で外に出たら、風が冷たい。
途中で資料をとりにクレヨンハウスに立ち寄って、
GOOD DOGという表紙の文字に惹かれて、一冊の薄い本を購入。
帯に隠れて、GOOD DOGの下にSTAYという言葉もあった。
犬が出てくる本には目がない、わたしである。
買ってから、著者があのアナ・クィンドレンであることを知る。
ニューヨークタイムズ紙のコラムでおなじみの女性作家で、
ずっと以前に、タイトルは思い出せないが、翻訳された彼女のコラムは『HERS』にも収録されていた記憶がある。
今回購入した本は、今夜これから読むのだから、
内容について詳しくは知らないが、サブタイトルは「愛犬ボーが教えてくれたこと」。
アナの愛犬はラブラドール・レトリーバーであるようだ。
わが家には、バースという名のゴールデンがいた。
いいやつだった。ほんとに、素敵なやつだった。
生まれつき後ろ足の一方に形成不全があって、
長いこと走ったり、はしゃぎすぎたりすると、
うずくまってしまうところがあったが、
それらすべてを含めて、バースはバースだった。
母を介護していた頃、バースは夜中に二回、
母のベッドを覗き込み、それから母のベッド脇で仮眠をとっていたわたしのほうを覗き込み、
それから、一方の足を少し引きずる独特の足音を廊下に刻みながら、
自分の寝場所に戻っていったものだった。
震災や原発事故で、愛する飼い主と離れ離れとなった
動物たちの情報に接するたび、
バースがわたしに贈ってくれた愛情を思い出す。
それは人間のわたしがカレ(バースは男子)に贈ることができた愛情の何百倍もの深く、まっすぐな愛だった。
バースが逝って7年。いまでも、朝目覚めた瞬間、
「バース」と呼んでいるわたしが時々いる。
1月31日、米国サンディエゴ近郊のサンオノフレ原子力発電所で
原子炉一基が緊急停止したというニュースが。
この事故で負傷者は出ていない模様だが、
微量の放射性物質が大気中に漏れた可能性はあるらしい。
折しも、かなり大きな地震がくるのではないかという予想が、この国でも。
この地震大国に原発を持ち続けること自体、犯罪ではないか。