2012年2月1日水曜日

2月1日

今日から2月。
連日の寒さが少しだけ和らいだような2月のはじめの日。
今日は朝からクレヨンハウスでいくつかの会議や打ち合わせが。
久しぶりにクレヨンハウスで長い時間を過ごしている。

この数日間に届いた郵便物の中に、一冊の詩集がある。
菊田 郁(ご本名 郁郎)さんというかたが書かれた『沈黙の海』。
淡い水色の表紙に記されたタイトルの横に、追悼詩集とある。
42ページのこの詩集を繰っていて、「がれき」という一編の詩が心に突き刺さる。
作者の菊田さんにいま、電話でご了承を得たので、ここにご紹介したい。

   「がれき」
   ひとくちに
   〈がれき〉と言ってしまえば
   それだけのことかもしれない
   だが〈がれき〉なんてひとつもない
   どれもこれも
   家族が長い時間をかけて
   こつこつと積み上げてきた
   思い出の詰まったものばかり

   ガラスのかけらひとつにも
   泥水に浸かった人形にも
   散乱している皿や箸やスプーンにも
   夜見世で買った指輪にも
   みんなみんな
   たくさんの想いが込められている

   けんかもしたけど
   笑いもあった
   このテーブルでみんなで食事をした
   こどもの誕生を喜び
   老人の死を悲しんだ
   折れ曲がり泥にまみれた柱は
   もう何の役にもたたないが
   それらのことをみんな見つめて
   一緒に笑い一緒に泣いた

   〈がれき〉なんてひとつもない
   ほんとうにひとつもない
   みんな宝物ばかり


教師として
「かつて勤務した気仙沼、南三陸町志津川、石巻で亡くなった
多くのひとへの追悼と被災された方々への心痛に想いを馳せながら、
また、依然として続いている原発への不安と怒り、警鐘を込め」
菊田さんは言葉を紡がれたとおっしゃる。

   反戦 反安保 反体制 反原発
   反対は いつも排除され
   虐げられてきた

……そんな書き出しで始まる「反対」という作品もある。

価格700円(郵送費含)(内300円はみやぎ震災遺児募金に寄金します)と。
ご本人に確認をとらせていただき、住所もどうぞということで、ここに記す。
連絡先 〒987-0511 宮城県登米市迫町佐沼字的場14-1

「反対」という詩には次のような文言もある……。

   反対はいつも少数だ
   反対はいつも孤独だ

けれど反対の少数は知っている。
少数は、小さな、きわめて小さな声を搔き消すことなく抱きしめて、
孤独のただなかで柔らかくつながる術をいま学びつつあるのだ、と。