2012年4月26日木曜日

4月26日

26日午前、検察審査会に強制起訴された小沢一郎元民主党代表に対し、
東京地裁は無罪判決を言い渡した。
小沢一郎という政治家を好きとか嫌いとか、
古いタイプの政治家であるとかいうレベルの問題ではなく、
この強制起訴はおかしい、
とずいぶん前からわたしは書いたり言ったりしてきた。
別言するなら、こうも言える。

小沢一郎ほどの「権力」者すら強制起訴し、およそ3年にわたって、
限りなく黒に近い存在として多くのメディアを通して人権侵害、
人格破壊を繰り返すことができる社会時代においては、
一般市民の名誉を剥奪し、市民としての、
まっとうな活動を「停止」させることなど、
きわめて容易なことでもあるだろう。

反・脱原発の活動もまた、当局に睨まれたら、市民はひとたまりもない。
ひとり、あるいは同じ意志とメッセージをもったある集団を、
あらゆる手をつかって壊滅させることなど、このうえなくたやすい。
まるで中世の魔女狩りそのものだ。
それに決して少なくないメディアがのったのだ。
日刊ゲンダイ4月27日号(この新聞は一日早い日付で発行される)には、
オランダ人ジャーナリストのカレル・ヴァン・ウォルフレンさんというひとのコメントが掲載されている。
その中に次のような一文がある。
「……長年かかって築き上げてきた既得権益を破壊しようとする人物(=小沢一郎)に銃口を向け、
そして引き金を引く。体制側にとって、新種の人間というのはいつの時代も脅威なのですが、
こういうことが許されていいのか」

わたしたちは法治国家に生きているはずなのだが、
さながら「真昼の暗黒」そのものである。
「魔女」狩りは飛び火する。
注意しようね、と言っても、
どこから火の粉が飛んでくるかは予想できないところが恐ろしい。