2012年4月13日金曜日

4月13日

4月13日付「日刊ゲンダイ」に、福島浪江町の馬場有町長が、
国を相手どって刑事告発に踏み切る考えを明らかにした、
という記事が掲載されている。
来月5月下旬までに告発の結論をだすようだが、たとえば事故の直後にSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワーク)の情報が公表されていれば、「多くの住民が放射線量の高い北西方向に避難」することもなく、「余計な被曝」をすることもなかった。
避難先を何度も変更し、「病状が悪化して死亡した住民もいる」。
現時点で「震災関連死として認定された」ひとは79人。
「政府が速やかにデータを公開していれば、亡くならずに済んだ人もいるでしょうし、余計な被曝も防げたはず。これは町民全体の共有認識です」という浪江町職員のコメントも紹介されている。
あれだけの苛酷事故と、事故後の情報隠しをしながら、
誰ひとりとして責任をとったものはいない。
政府が責任の所在を明らかにしていない、
こういったケースで刑事告発は可能なのか。
当時の菅首相をはじめ、事故対応の指揮を執った政治家らは
SPEEDIの「存在を知らなかった」と調査に応え、
原子力安全委の斑目委員長は「SPEEDIは回していなかった」
と言ったと言われ、一方、ご本人は「そんな発言はしていない」と否定。
結局は、責任の所在は不明のまま、
何も知らされずに北西に逃げた住民が、
苦しくも悲しい思いをしているのが現状だ。
この場合でも法的には「被疑者不詳」で刑事告発はできる、
とコメントしているのが九大名誉教授の斉藤文男さんというかた。
「JR西日本の脱線事故や、JCOの臨界被曝事故など過去の重大ケースでも責任者は法廷に立たされた。あれだけの大事故なのに、1年以上も誰も責任を問われない方が異常です。当時の関係者が責任逃れを続ける以上、法廷の場で真相解明を果たすことには意義があります」
そうなのだ、1年以上がたっても、収束はみえず、
住民の苦しみは続く。ななんという国なのだ。
今日は一日、広島へ。
明日は、弁護士・日隅一雄さんの「朝の教室」。
個人的には、ほぼ1年ぶりにお目にかかることになる。