2011年12月7日水曜日

12月7日

昨夜というか、今朝の午前一時まで、
NHK「ラジオ深夜便・ミッドナイトトーク」に出演していた。
だいたい二か月ごとの出演だ。

月ごとにテーマが決まっていて、昨日は『親を語る』だった。
個人的なテーマの中で、普遍化・社会化できるそれについては
躊躇なく書いたり語ったりはするが、あくまでも個人に帰結する
テーマを公にするつもりはない。母との関係性も同様だ。

ただ介護についても、医療のありかたについても、
わたしの母がシングルマザーであったことも、
個人的なテーマであると同時に社会的・政治的なテーマでもある。
それゆえに、わたしは介護の体験を本にし、
わたし自身がシングルマザーの娘であることも公けにしてきたのだ。
人権週間である。差別はどこにでもある。
そうして、ある差別の「される側のひとり」が場面が変われば、
差別を「する側のひとり」になることもある。
『親を語る』というタイトルそのものからは少し外れるが、
番組の中ので人権について触れたのも、そんな理由からだった。

朝にメールで送った被災地についての原稿が
ゲラになってファックスされていた。
余白の部分に、担当のかたの文字で次のように記されていた。

……この冬だけは暖かい日が続いてほしいものです。
寒さと夕暮れは、こたえますので……。

そう記したのは、男性である。
編集をするにも記事を書くにも、その前に暮らしていくうえで
ひとりの人間として、こうした視点は必要だ。
「クール」という言葉はかっこいい、頭がいい、といった風に使われるが、
他者の痛みに対する想像力が希薄なことは、クールではなくて、
単に冷たく身勝手なだけ、なんだよな。

旧藤野町、相模原市緑区で暮らすベーシスト水野俊介さんから、
ピアニスト室坂京子さんとの共演CD「FUKUSHIMA」と
「世界遺産九条の唄」が贈られてきた。

今夜の音楽はこれ、と決める。

CDは送料・税込み1,000円。CDの純益とライブの入場料から経費を引いた収益を、脱原発に取り組む「原子力資料情報室」に寄付する。問い合わせは、OCMレコード=電話042(649)5218へ(2011年10月2日東京新聞「こちら特報部」の記事から)