一体、これはどういうことだろう?
17日、ソウル市内であった講演で、劇作家で内閣官房参与でもある
平田オリザさんが、次のような発言をしたという。
東京電力が福島第一原発から放射能汚染水を海に棄てたのは、
「アメリカからの要請であった」と。
首相補佐官の細野豪志議員は本人の勘違いだと言っているが………。
鳩山首相の所信表明の原稿作りにもかかわった平田さん。勘違いで、
そんなことを言うかなあ。
浜岡原発を菅首相が停止と決めたのも、実はアメリカからの要請ではないかと、
『アエラ』で内田樹さんが書いている。原発はもう推進できないとしたアメリカが、
収束のための機材を「売り」、さらに自然エネルギーのあれこれもという、
販売戦略なのではないか、と。
真偽のほどは知らない。確かなことは、わたしたち市民はいつだって
蚊帳の外だということだけだ。
民主主義って、なんだっけ?
今日は大学での授業だった。
女子大なのだが、あるクラスで、女の子が涙ぐんでいた。原発の話をしていた
ときだった。祖父とおじさんが福島の警戒区域にいるという。
「不安で、心配で……」と涙ぐむ彼女に、誰も何も言えない。
大人のひとりであることが、情けない。
もうひとり、クレーンの運転をする父親が六月から福島原発に入るという
女の子もいる。母親も彼女も必死に止めているのだが、自分が行かなければ
ほかの誰かが行くことになる、と父親は譲らないという。
緑が生い茂り、風が木の葉を揺するキャンパスで、影だけが深くなる。