今日は一日、長野県伊那への旅だった。
新宿発の、スーパーあずさを茅野で降り、それから車で伊那へ。
わたしの愛読書の一冊、ヘンリー・デヴィッド・ソローの、
岩波書店から刊行されていた一『市民の反抗』の翻訳者・飯田実さんは、
この伊那の出身だと、迎えに来られた主催者のおひとりから教えていただいた。
ウオールデンの湖畔で,自給自足の暮らしをしながら森の生活などを表したソローではあるが,
奴隷制に反対して税金を納めず,その罪で名誉ある服役もしたひとだ。
学生時代に「我らがソロー」というのが口癖だった、
アメリカ文学の先生にソローについていろいろ教えていただいたことを思い出す。
長髪で、この季節,ダークグリーンのコールテンのジャケットを愛用されていた。
税金不払い、という抵抗の姿勢を貫いて投獄された彼。
そういえば,賢い不服従という言葉があった。
盲導犬のトレイニングなどでも使われるらしい。
飼い主からいかに指示されようとも,危険な命令には服従しない状態をそう呼ぶという。
国からいかに命令にはされようとも,不服従を貫かねばならないときが、
一市民にはあるはずだ。
講演前に、会場近くの公園をあるいた。
赤や黄色の落ち葉を踏んであるく感触を、久しぶりに味わった勤労感謝の日。