今日も一日、仕事だった。
3月11日から、一日も休んでいない。
こういった働きかたはまずいなと思いつつ、
通常の仕事に、クレヨンハウスの「朝の教室」の講演を基にした
ブックレットの編集や校正も手伝わなければならないので、
いつものの二倍は働いているだろう。
気が付けば、11月。
ゆったりと季節の移ろいを体感し、植物を眺め、
ひとつ先の季節に咲いてくれる種子を蒔く……。
といった我が得意分野のあれこれも、少々遠ざかっている。
仕事の帰り、カーラジオから「ワルティングマチルダ」が流れてきた。
映画『渚にて』でも効果的に使われていた遠い記憶がある。
イギリスの作家だったと思うが、ネビル・シュートの作品だ。
帰宅して調べてみたら、スタンリー・クレイマー監督で映画化されたのが1959年、
わたしが14歳の時だ。
洋画ファンだった叔母に連れられて、観に行った。
主演はグレゴリー・ペック。
第三次世界大戦と核爆弾の恐怖を描いた作品だった。
核兵器の放射性物質で被曝する人々の話だが、
被爆の認識と描写が実際とは違っていると映画について誰かが論評した、
とわたしに教えてくれたのは叔母だったか。
世界が競って「核の力」を誇示しあうとした時代に生まれた作品であることだけは確かだ。
そうしていま、この国では。