今日、日曜日も19時まで、あちこち外での仕事が。
昨夜は、昨日の「朝の教室」の講演者のおひとりだった本橋誠一さんがプロデュース、
纐纈(はなぶさ)あやさんが初監督をされた『祝いの島(ほうりのしま)』を観た。
昨日、本橋さんから「監督からです」と手渡されたDVDである。
1000年前、難破した船を助けたことから農耕がもたされた、
海と山に囲まれた小さな島、山口県上の関町、祝島(いわいじま)。
1982年、島の対岸4キロメートルに原発の建設計画が持ち上がったことは、
鎌仲ひとみさんのドキュメント映画でも、またこのたびの町長選挙でも、
多くのわたしたちが知るところになった。
建設の話が持ち上がって以来、28年間、
島のひとたちが続けてきた反対運動を追ったドキュメントだ。
作品の中でも時々耳にすることができる声が監督のものだろうか。
その声と島に長く住み慣れた80代や70代の声とのやりとりが、心に響く。
「米さえあれば、なんとか食べていける」と祖父がひとりでつくった棚田で、
70年間、米をつくりつづけている男性。
原発反対運動の先頭に立っていた夫を25年前になくし、それを引き継いでいる女性。
普段は運搬の仕事もしながら、原発反対派として町議会議員を。
いまでも島のひとたちからは「敏坊」と呼ばれる50代の男性。
島唯一の、60代の女性漁師さん等々。
「贅沢」ではないが、地に足つけてまっとうに等身大で暮らす島のひとびとの姿から、
島の人たちがなぜ原発に反対するのかが、
沖合からあがる朝日のように、すっくと立ち上がる。
暮らしってこういうものなのだ。
暮らしから生まれる思想と姿勢ってこういうものなのだ、と
深くうなずかせてくれる作品だ。
「朝の教室」で「暮らしからチェルノブイリを撮りたかった」と言われた本橋さんの発言とつながるDVD(販売元 株式会社新日本映画社)。ぜひご覧いただきたい。
DVD制作者の静かな、厳しい怒りに共感する。
暮らしを根こそぎ奪っていく原発推進の流れを、どうしても止めなければならない。
いま目の前に、福島原発事故で暮らしを奪われた多くのひとの現実があるのに、
なお原発推進派の動きが止まらない。利権は、生命より重いのか?