夕暮れから強くなった風が身にしみる。
風に背を押されるように
歩きながら、被災地の厳寒を思う。
さぞや、と。
仮設や借り上住宅で、充分に暖をとれていない被災者が少なくないという。
特に、ひとり暮らしのお年寄りが心配だ。
以前に書いたが、生活費を切り詰めるために、
準備された暖房器具も使わず、
布団の中で一日を過ごすかたもいる。
あたたかなものを食べておられるか。
爪先は冷え切っていないか。
トイレに立つのが面倒で、水を飲むのを控えてしまっていないか?
不安は山ほどある。
風の音が、不穏に響く1月11日。
東京で暮らす先輩の女性の入院が
さらに延びたという電話をいま、受けた。