2012年1月24日火曜日

1月24日

きょう、首相の施政方針演説があった。
特に新鮮味のある内容であったとは思えないが、
まずは「大きな政治」「決断する政治」というスローガンに違和感を覚えた。
いま、わたしたちが必要としているのは、「小さな声をよく聞く政治」ではないだろうか。
政治が大きなことを言う時は、危険な時代に向かっているんだと思う。
3つの「優先課題への取り組み」を表明したが、わたしには型どおりに、空虚に響いただけだった。
① 大震災からの復旧・復興
② 原発事故との闘い
③ 日本経済の再生
どれもが大事なことではあるが、あれほどの大事故を起こした福島第一原発の過酷事故。
日本中、とりわけ福島のひと、世界中のひとへの心からの深謝がないなあ、と。
もしあるとすれば、全原発「廃炉」の言葉を聞けたはず。
ドイツは決断したのに、問題を起こした当事国・日本は「脱原発」を決断していないのだ、と改めて痛感。

いまも被曝されつづけている福島の子どもたちが、現にいる。
原子力発電所では、
広島の原爆1,000発分を優に超えるような「核分裂生成物」を1年ごとに作り出している。
この国は、世界中が心配しなければいけないほど、プルトニウムをもってしまったのだ。
この解決なしに、「原発事故との闘い」は言えないのではないか。
「大震災からの復旧・復興」を真剣に考えているとは思えない。

「日本経済の再生」もまた、消費税アップのためのエックスキューズに響いた。
事故の収束もみないのに、収束宣言をし、いちはやく原発輸出の交渉をはじめたこの国。
武器輸出三原則を緩和したこの国。
アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)、環太平洋連携協定(TPP)については、
議論が全く足りなかったと思う。
だが、もう既成のこととして「アジア太平洋の世紀を開く外交安全保障政策」として組み入れた施政方針。
違和感を抱かないほうがへんだろう。

1000兆円も借金のある日本だから、消費税をアップしなければ、
という言い方に慣れてしまっているわたしたちも問題だが、
政治や財界、官界がわが身を切って(たとえば民主党は政党助成金を辞退するなど)、
まず節約をしてみせなければ。
「市民にばかり節約を強いる」ような「日本経済の再生」おかしい。

段階的に消費税率を引き上げる、そのために「公平」を口実に、
国民一人ひとりが固有の番号を持つ「社会保障番号制度」の導入も言い始めた。
国民の財布を管理し、プライバシーも何もなくなっていくこともこわいことだ。

米軍普天間飛行場の移設問題にしても、沖縄の人々の不安に答えていない。
それが「大きな政治」ということか、
「決断する政治」ということなのか。