2011年4月17日日曜日

4月17日

ひとつ、ふたつ みっつ
あの子は 星を数えている
カーテンのない窓から見える 遠くの星を
目を閉じると 
ばあちゃんを連れ去った 大きな黒い怪物がやってくるから
この、同じ夜の中で

四頭、五頭、六頭、
おやじは、眠れないまま 牛を数える 
突然の避難勧告
首を横に振り、抗ってはきたけれど
結局は残してくるしかなかった 濡れた眸たち
この、同じ夜の中で

七匹、八匹、九匹、
痩せた犬たちが歩いている
腹をすかし、泥にまみれた犬たち
首のまわりに 愛された日々の名残りの
汚れた首輪を巻いたまま
瓦礫の中に 犬たちは 誰を 何を 探す
この、同じ夜の中で

あと幾つ夜を重ねたら
あと幾つ朝を迎えたら
あと幾つ季節を見送ったら
あと幾つ年を迎えたら………

眠ることは
こんなにも難しいことだったのか 
この、同じ夜の中で